L-アルギニン USP EP JP ChP

タンパク質の安定化にL-アルギニンを使用する利点は次のとおりです。

アグリゲーションの防止

L-アルギニンは、凍結および乾燥プロセス中のタンパク質凝集を減少させることが示されています。 タンパク質の本来のコンフォメーションを維持し、生物活性を維持するために重要なタンパク質同士のくっつきを防ぎます。 

溶解性の維持

L-アルギニンは、低温でも溶液中のタンパク質の溶解度を高めることができます。 これは、タンパク質の溶解性の維持が凝集を防ぐために重要である凍結乾燥の凍結ステップ中に有利であり得る。 

蛋白質の構造の保護

L-アルギニンは、タンパク質構造の安定化における役割で知られています。 水素結合や電荷相互作用など、さまざまなメカニズムを介してタンパク質と相互作用し、タンパク質の天然構造を維持するのに役立ちます。 

氷晶形成の低減

L-アルギニンは、凍結中の氷晶形成に影響を与える能力についても研究されています。 凍結プロセスを改変することで、氷の結晶形成によるタンパク質へのダメージを軽減するのに役立つ可能性があります。 

粘度低減

L-アルギニンは、高濃度タンパク質製剤における粘度の課題を軽減する上で重要な役割を果たします。 タンパク質濃度が高いと溶液の粘度が上昇することが多く、製造プロセスに支障をきたし、治療用タンパク質の投与に影響を与える可能性があります。 L-アルギニンが粘度低下に及ぼす影響は、可溶化剤としての役割と、タンパク質間相互作用を破壊する能力に起因します。 L-アルギニンの正電荷グアニジニウム基は、負電荷を帯びたタンパク質表面と相互作用し、凝集体の形成を防ぎ、製剤の全体的な粘度を低下させます。 この特性により、高濃度タンパク質溶液の流動性が向上し、製造および投与プロセス中の取り扱いが容易になります。 L-アルギニンは、タンパク質の安定化と粘度の低減の両方に二重の機能性を備えているため、高濃度タンパク質ベースの製品の配合において、汎用性が高く貴重な添加剤となります。